災害時のiPhoneの使い道

災害時におけるiPhoneの活用法について、通信手段の確保・情報収集・緊急対応・安全確保といった観点から、できることを詳細にご説明いたします。


1. 通信手段としての活用

1-1. 通話・メッセージ機能

  • 通常の電話やSMS(ショートメッセージ)に加え、通信障害時でも**緊急通報(110・119・118)**はつながることがあります。
  • 携帯キャリアが提供する災害用伝言板にアクセス可能(Safariなどのブラウザ経由)

1-2. Wi-Fiやインターネット通話

  • 通常の電話回線が使えない場合でも、LINE、Messenger、FaceTime Audio、Skypeなどでインターネット通話が可能です。
  • Wi-Fiが生きている避難所などでは特に有効です。

1-3. オフライン対応メッセージアプリ(例:Bridgefy)

  • Bluetoothメッシュネットワークを使って、近くの人同士で通信が可能
  • 通信インフラが使えない状況でも、一定距離内での情報共有ができます

2. 情報収集・災害情報の確認

2-1. NHKニュース・防災アプリ

  • NHKニュース・防災アプリは地震速報、津波警報、避難指示などを即座に通知
  • 地図と連動した避難所情報、リアルタイムの災害状況も確認可能

2-2. Yahoo!防災速報アプリ

  • 自治体の避難情報、雨雲レーダー、地震・津波速報などが通知されます
  • 最大3地点まで設定でき、自宅・職場・家族の住む地域の情報を同時に受信可能

2-3. 気象庁のWebサイト

  • Safariなどで直接アクセスし、正確な地震・台風・津波情報を確認できます

3. 緊急時の機能・SOS送信

3-1. 緊急SOS機能(iOS標準機能)

  • サイドボタンを5回連続で押す、またはサイドボタンと音量ボタン長押しで起動
  • 登録された緊急連絡先に位置情報付きで自動連絡されます
  • 位置情報の共有は一定時間ごとに更新されます

3-2. メディカルIDの表示(ロック画面から確認可能)

  • iPhoneロック画面から**「緊急」→「メディカルID」**を表示
  • 血液型、持病、服用中の薬、緊急連絡先などを設定しておくと、救助時に役立ちます

4. バッテリー節約と電源確保

4-1. 低電力モードの活用

  • 「設定」→「バッテリー」→「低電力モード」をONにすると、バッテリー消費が大幅に減少します

4-2. 不要な機能のオフ

  • Bluetooth、AirDrop、位置情報サービスの最小限化
  • アプリのバックグラウンド更新やプッシュ通知を制限

4-3. モバイルバッテリー・太陽光充電器の活用

  • 災害時に備えて、複数回充電可能なモバイルバッテリーソーラー充電器を常備しておくことが推奨されます

5. 位置情報・地図の利用

5-1. マップアプリの「オフライン地図」機能(iOS 17以降)

  • 事前に地域の地図をダウンロードしておくと、通信圏外でもルート確認や現在地表示が可能

5-2. 家族や知人との位置共有(「探す」アプリ)

  • 「探す」アプリで家族の居場所を把握、安否確認が迅速に行えます

6. その他の便利な機能・備え

6-1. メモアプリによる記録

  • 安否情報、避難所情報、物資のリストなどを記録・共有できます
  • 手書きや画像の貼り付けにも対応

6-2. フラッシュライト・簡易ライト

  • コントロールセンターからライト機能を使用可能
  • 暗所での移動やSOS信号として活用できます(点滅させるなど)

6-3. カメラ・スキャナー機能

  • 災害時の被害状況記録、身分証明書や保険証などのデータ保存にも活用可能
  • 書類をPDF化して保存しておくことで、避難所での本人確認にも便利です

災害時に備えて今できること(事前準備)

  1. 緊急連絡先とメディカルIDを設定しておく
  2. 防災アプリ(Yahoo!防災速報・NHK防災など)をインストール
  3. 「オフライン地図」を必要なエリアでダウンロード
  4. モバイルバッテリーや充電ケーブルを防災バッグに常備
  5. 家族・友人と「探す」アプリの位置共有を設定